今季の営業を終えて
今年は例年より早く、7月27日に直売所を開けました。
そして昨日10月7日をもって、2026年シーズンの営業を無事に終了いたしました。
今年も足を運んでくださった皆様、気にかけてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
梨のこと
スタートの幸水こそ早かったものの、その後の生育が全体的に停滞。
丸々1ヶ月ほど幸水のみで直売所を開けることになり、選ぶ楽しさという面では少しマンネリを感じさせてしまったかもしれません。
果実の温度管理を最優先に考えて収穫を進めたため、気温が高い日は無理に収穫をせず、直売所に並ぶ数が少なくなってしまった日もありました。
今年の梨はかなり立派に大きく育ちましたが、9月に入ってからの長雨には本当に手を焼きました。
泥濘んだ畑で運搬車がスタックし、収穫の段取りが狂うこともありました。
それでも悪いことばかりではなく、例年なら酷暑による焼けで8割近くダメにしてしまっていた晩生の"新高"や"にっこり"が、長雨のおかげでそれほど傷むことなく、最後まで良い状態のまま提供することができました。
梨の販売最終日まで、当園の梨を求めて足を運んでくださるお客さんの姿を見られたのは、作り手として純粋に嬉しかったです。
ぶどうのこと
藤みのりから始まり、巨峰、ブラックビート、そしてシャインマスカットへと繋いでいきましたが、なかなか思うように糖度が上がらず、お待たせしてしまった方々には申し訳ない気持ちです。
そこに追い打ちをかけたのが、9月の長雨と大雨でした。
昨年は小粒になってしまい悔しい思いをしたシャインマスカットは、手法の抜本的見直しにより、房の仕上がりも粒の張りも見事で手応えを感じていた分、糖度を乗せたい一番大事なタイミングで太陽が隠れ続けたのは本当に堪えました。
少しでも光を届けようと反射シートを敷き詰め、できる限りのことはやろうとその時できる最善を尽くしたつもりです。
そして今シーズンで最も衝撃的だった出来事は、ぶどう畑の水没です。
私が畑に立つようになってからの20年で初めて目にする光景でした。ポンプを丸一日回し排出作業を続けても思うほど水位が下がらず、最終的には重機を入れて穴を掘り、地中へ強制的に水を逃がしてなんとか凌ぎました。
メディアからの取材連絡もいくつかいただきましたが、周りを見渡せばもっと厳しい状況と戦っている農家さんがたくさんいますし、うちは日頃から取材はお受けしていないので、すべてお断りしました。
自然相手の仕事は、自分たちの力や工夫だけではどうにもならない領域が確かにあるのだと、改めて身をもって刻み込まれたシーズンになりました。
おわりに
実は今年から本格的に現場の舵取りを引き継ぎ、手探りと試行錯誤の連続でした。不行き届きな点やご不便をおかけした場面もあったかと思います。
ただ、この過酷なシーズンで得たリアルな経験とデータは、確実に次の年に生かせると思います。
畑も、木も、土も、自分たちも、まだまだここから成長していけると思っています。
収穫と直売所の営業を終えた直後ではありますが、本日より10ヶ月後に向けた土作り、環境つくりへと作業が始まっています。
最後になりますが、春先から直売所の営業まで、共に頑張ってくれたスタッフのみなさん、支えてくださった取引先の方々、そして何より足を運んでくださったお客様に、改めて御礼申し上げます。
皆さまの健やかな日々をお祈りしつつ、また来年、最高の果実を揃えるように努めます。
皆様のまたのご来園を心よりお待ちしております。
松戸山口農園 代表 山口稔史